ダイオードに流れる電流


式4-22、式4-23からpn接合半導体に流れている電流は電子の電流とホールの電流の和で計算される。



     ……(式4-24)

     図4-6


pn接合半導体はそれだけでダイオードとして機能している(図4-6)。順方向バイアス状態では電位差をかけるほど電流が増大していく(オーミックに近い特性)が、逆方向バイアス状態ではいくら大きな電位差をかけてもis程度しか電流が流れない。順方向バイアスではpn間での伝導帯準位の差が縮まり、キャリヤーの絶対数が増大するが、逆方向バイアスでは伝導帯準位の差は大きくなり、n型の自由電子数はほとんど電流に寄与しなくなる。逆方向バイアスでは電流に寄与するn型の自由電子数が少なく(ほとんどなくなる)なるので、p型の自由電子がn型に拡散するが、その数は最大でもnpなので、所詮is程度の電流しか流れないのである。



      

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