半導体の量子力学
半導体(Semiconductor,セミコンダクター)とは?
金属の抵抗率が常温で10-6Ωcm、絶縁体の抵抗率が1012Ωcm程度なので、これらの抵抗率には1018倍もの隔たりがあります。この隔たりは原子の半径と宇宙の半径の隔たりに匹敵するとも言われ、物質の抵抗率というものが非常にスケールの大きなものであることがうかがえます。
半導体とは導体(金属)と絶縁体との中間に位置する抵抗率をもつ物質ですが、その電気的性質から生み出される応用性ははかりしれないものがあり、近年のコンピュータを含むほとんど全ての電子機器産業の発展は、今回紹介する半導体理論の上に成り立っていると言えます。
大学で量子力学を学んだ方を対象としていますので、理論的な式や難しい概念がたくさん出てきますが、結果だけを追うことでなんとなくでも理解していただければ幸いです。
第一章 半導体のエネルギーバンドによる記述
- 量子力学の基礎 〜シュレディンガー方程式〜
- 波動関数の周期的束縛条件 〜ブロッホの定理〜
- クローニッヒ・ペニーのポテンシャル
- 固有半導体 〜 バンド理論 〜
- 不純物半導体(n型半導体、p型半導体)
- 不純物半導体のバンド理論による記述